Dr.TAKEのDTP秘訣集
 解像度について

グラフィックデータの解像度
出力機の解像度
目的別最適解像度
線数と出力解像度
線数と画像解像度

 解像度について
解像度は通常「dpi」という単位で表現されます。dpiとはdot per inchの略で、データの場合は1インチの中にいくつのドットがあるのか、出力機の場合は1インチの中にいくつのドットを出力できるかを表わします(この出力機にはプリンタだけでなくモニタも含まれます)。
したがって、dpiの数値が大きければ大きいほどより美しい表現となります。しかしその反面データは大きくなり、出力機は高価になるため、扱いにくくなります。ここでは、私なりの最適解像度をお教えします。参考にしてみてください。

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 グラフィックデータの解像度
グラフィックデータの解像度が問題になるのは、データがPhotoshopなどのペイント系グラフィックソフトで作られている場合です。
ペイント系グラフィックソフトで作成したデータは、小さな四角い点(ドット)の集合で画像が構成されています。このドットの集合具合が解像度になるのです。解像度が高いということは、画像を構成しているドットが小さいということになります。
曲線をドットで構成したとします。解像度が低い場合、どうしてもドットの角が目立ってギザギザした表現になります(このギザギザをジャギーといいます)。解像度が高くなるとドットが小さくなるためジャギーが目立たなくなり滑らかに見えることになります。こう書くと、解像度が高ければ高いほどいいようですが、実際には、出力機の解像度との関係で解像度が高くてもあまりきれいにならないこともあります。出力機の解像度に合わせてデータの解像度を調整すると無理なく美しい出力を得ることができます。

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 出力機の解像度
出力機は大きく分けてモニタとプリンタに分けることができます。「モニタが出力機?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、パーソナルコンピュータ本体はデータを内部で処理してユーザーに見えるように画面に出力しているのです。
さて、このモニタですが、かつてアップルコンピュータ社が出していたモニタはすべて72dpiという解像度に固定されていました。そのためPhotoshopなどではデフォルトの解像度が72dpiに設定されています。
ところが最近のマルチスキャンタイプのモニタは、この72dpiにとらわれることなく、任意の解像度が設定出来ます。
17インチのモニタで19インチ表示をするということは、解像度を上げて表示しているということなのです。この場合、17インチ表示に比べ19インチ表示では解像度が上がっているため表示用のドットの大きさが小さくなりますから、画像によっては見にくくなることもあります。
マルチスキャンの場合は、画像に合わせて解像度を変えることをおすすめします。
モニタの解像度が固定されている場合は画像の解像度が高すぎると、画像が画面内にすべて表示出来ないといったこともおこります。したがって、画面表示を目的とした画像の場合は、解像度を72dpiにして大きさを調整するようにするといいでしょう。

プリンタも最近は様々な解像度のものが出ています。かつてはモニタと同じ72dpiのプリンタもありましたが、現在は600dpi 程度のプリンタが主流となっています。なかには1,200dpiといった超高解像度といえるようなプリンタすら発売されています。プリンタの解像度が高いということは、出力するドットが小さくなるのですから、その分出力結果は美しくなります。
しかし同じデータを出力する場合、300dpiと600dpiでは後者の方が出力にかかる時間が長くなります。これは、ドットの数が増えるため、ドットを紙のどの位置に出力するかの処理に時間がかかるためです。
また、もともと低い解像度のデータを出力するのであれば、300dpiと600dpiではほとんど出力結果に差がでません。したがって、プリンタでも解像度が高ければいいというわけではないのです。

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 目的別最適解像度
では、私が最適だと考える目的別の解像度についてお話します。
■モニタ
モニタは特別な理由がない限り72dpiに近い解像度での使用をすすめます。
つまり17インチモニタで19インチや13インチ表示をせず、16インチ表示程度で使用するということです。理由は既存のソフトはほとんどが72dpiで表示することを前提に作られているからです。特にDTPでは、無理に解像度を上げると、表示の文字が小さくなり修正時に別の箇所を修正したり、細かな調整が出来なかったりするからです。また解像度を下げると表示範囲が狭くなるため、作業効率が落ちます。ですから、標準である72dpiに近い解像度がよいでしょう。
■プリンタ
プリンタは、出力物を何に使うのかで解像度が変わります。
校正用に使うのであれば400dpi程度がよいでしょう。あなたの作業が英文中心であるならば300dpi程度でも十分でしょうが、日本語を扱う場合はやはり400dpiがほしいところです。
それ以上の解像度があっても校正では意味がありませんし、逆に出力にかかる時間が増大するというデメリットがあります。
出力物を版下にしたり、印刷物がわりに配布する場合などはクオリティが問題となるため600dpiから1,200dpi程度がよいでしょう。
ただしこの解像度のプリンタは価格自体も高価となるため、仕事量と兼ね合わせて購入を検討してください。

画像データと出力機の解像度の設定について出力機の解像度と画像データの解像度の最適な関係を知らないとデータが大きすぎるため作業や出力に不要な時間がかかったり、解像度不足のため、仕上がりが、汚くなってしまいます。効率よく十分なクオリティのものを作成するために大切なものですので、しっかりと覚えてください。

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 線数と出力解像度
印刷物を作る場合、dpiと同様に重要なポイントとなるものに線数(lpi)というものがあります。
オフセット印刷で作られた印刷物を見てください。よく見ると小さな色の点が重なって印刷されていることが分かります。この点を網点といいます。
線数とはこの網点の解像度を表わすもので、1インチの中に網点がいくつ入るかを示すものです。したがって、線数が大きければそれだけ小さな網点がたくさん集まって印刷されていることになり、印刷の仕上がりも美しくなります。ただし線数は大きければいいというものではありません。
印刷する紙がインクをよく吸収する場合、線数が大きいとインクが滲んで網点同士がくっついてしまい何が印刷されているか分からなくなってしまいます。ですから印刷する紙に合わせて線数を設定するようにしましょう。
一般にはカラーの印刷物は175線程度、モノクロでは150から100線程度、新聞のようなインクをよく吸う紙では80線程度が多いようです。線数をいくつに設定したらよいか分からない場合は、印刷を担当する会社に相談して決めるようにしましょう。
ただし、網点は色が100%となっている部分にはできません。そのため白黒2値の場合は線数は関係なくなります。
さて、この線数は出力解像度と画像解像度の両方に大きな関係があります。出力機は出力の際その機器がもつ解像度で網点を表現しようとします。コンピュータは一つの網点を16×16の256ドットで表現します。そのため網点を正しい形で表現するためには線数の16倍以上の出力解像度が必要となるのです。
あなたが150線の出力結果がほしいのならば、150×16で2,400dpi 以上の出力解像度が必要となります。もし解像度が線数に対して十分でない場合は、網点の形がいびつになり、階調の境目がくっきりと出た汚い表現となります。最近はソフトウェアが補完するため必ずしも16倍でなければならないことはありませんが、16倍あれば間違いなく美しい表現を手に入れられるのです。
「線数×16≦出力解像度」を忘れずに守りましょう。

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 線数と画像解像度
画像解像度も線数を基準に決めることになります。
もちろん画像解像度が大きければそれだけ美しい表現が可能となりますが、ある一定の線を超えるといくら解像度を高くしても表現に差が出なくなります。その一定線が「出力線数の2倍」なのです。
もし画像解像度が線数の2倍以上あっても出力に時間がかかったり、作業がやりにくかったりするだけで意味がありません。ただし、網点を作らない出力機の場合はこの限りではありません。白黒2値のデータの場合も同様です。その場合は画像解像度が高くなるにしたがって表現が美しくなります。しかしその場合も出力機の解像度以上、画像解像度あっても意味はありません。場合によってはもっと低い解像度でも十分な仕上がりを得られることもあります。思い切って画像解像度を下げてみることを一度試してみてはいかがでしょう。
さて、ここでいう画像解像度とは実際にレイアウトしたサイズでの解像度をいいます。いくら400dpiの画像解像度がある画像でもレイアウトする時に2倍に拡大してしまえば200dpiと同じことになります。
逆に150dpiの画像でも半分に縮小してレイアウトすると300dpiとなります。スキャニングするときはこのことを十分考えてすることにしましょう。

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