Dr.TAKEのDTP秘訣集
 フォント

フォントの種類
TrueTypeフォントとPostScriptフォント
日本語TrueTypeフォントの使用制限
同じ名前のフォントでも大きさが異なるTrueTypeとPostScript
高解像度出力にはPostScriptフォントを
CIDフォントについて

 フォントについて
DTPの醍醐味の一つにマルチフォントというのがあります。
「見出し部分はこのフォントにして、本文はあっちのフォントでいこう。ここの英語はどのフォントがいいかな?」などと考えながらドキュメント作って行くとき、「ああ、DTPをしているんだな」としみじみ思うことがあります。筆者はかって MS-DOSパソコンを使用していたため余計にそう思うのかも知れませんが、皆さんの中にも同じように感じる方がたくさんいると思います。ところが、このマルチフォント環境が逆にトラブルを生むことにもなるのです。ここではフォントの種類とその使い方についてお話ししたいと思います。

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 フォントの種類
フォントには、大きく分けて2つの種類があります。
ひとつはビットマップフォントでもうひとつはアウトラインフォントです。
ビットマップフォントとは、ビット(ドット)で構成されたフォントで、アウトラインフォントとは文字の輪郭線を数式データで表現し、その中を塗りつぶして文字を構成するものです。この構成の違いから分かるように、ビットマップフォントは文字の輪郭がギザギザしてしまうためあまり美しい文字とは言えませんが、アウトラインフォントの場合は、滑らかな曲線で輪郭が表現されるため、美しい出力が得られます。したがってDTPで使用するフォントとしては、アウトラインフォントが主となります。
では、アウトラインフォントならばなんでもいいのかというと、そうではないのです。

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 TrueTypeフォントとPostScriptフォント
アウトラインフォントは、現在TrueTypeフォントとPostScript(ATM)フォントの2種類に分けることができます。
TrueTypeフォントはApple Computer社とMicrosoft社が共同で開発したものです。そのためMacOS やWindows95/NTに標準で付属しているフォントは一部を除いてほとんどすべてがTrueTypeフォントです。パソコン本体がアウトラインデータを処理して画面やプリンタに出力するため、非力なCPUのマシンでは出力に時間がかかることになりますが、安価に美しい出力を手に入れることができるという特徴があります。
一方のPostScriptフォントは、Adobe Systems社が開発したPostScriptという言語に基づいて作られたフォントです。こちらは、通常は画面表示にはビットマップフォントを用いるため、お世辞にも美しいとは言えないものですが、PostScriptプリンタに出力する場合は、プリンタ側に持たせたアウトラインデータを使用して出力するため、非常に美しい出力を得ることができます。また、Adobe Type Manager(ATM)というユーティリティを使用すると、画面表示にもアウトラインデータを使用することができるようになるため、文字の詰めや位置を気に入るまで調整することが可能となります。
なおWindows3.0/3.1用にはWIFEフォントというアウトラインフォントがあり、100数十書体が発売されましたが、WIFEフォントはTrueTypeと互換性がなく、それぞれ専用のフォントラスタライザ(フォントのアウトラインデータを印刷で使うドットデータに置き換えるソフトやハード)が必要となっています。Windows95でもWIFEフォントは使用可能ですが、標準対応のTrueTypeフォントの普及により、現在ではあまり使われていません。

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 日本語TrueTypeフォントの使用制限
一見同じような2種類のフォントですが、用途に合わせて使い分ける必要があるのです。
それは、日本語のTrueTypeフォントはMacintoshでは1,201dpi高解像度での出力を想定して作られていため、高解像度をするとさまざまなトラブルが起こる可能性があるためです(かつては601dpi以上では出力できないようにプロテクトがかかっていたため、まったく高解像度の出力はできませんでした)。
パーソナルレベルで使用する分には、十分な品質だと思いますが、商業印刷物の制作をする場合は、よほど特殊な効果を狙った場合以外はお薦め出来ません。
したがって、Macintoshで1,201dpi以上の高解像度での出力が必要な商業印刷物をDTPで制作する場合にはPostScriptフォントを使用しなければならないのです。
また、校正用のレベルでレーザープリンタ出力をする場合でも最終的に高解像度出力するのであれば、最初から PostScriptフォントを使用するようにしましょう。最終出力の段階でフォント置き換えるのは「置き換え忘れ」というミスの元ですし、書体によってボディーサイズが異なることから、字詰めや行送りが変わることになりかねません。
なお、Windowsでは日本語TrueTypeフォントでも解像度制限がないことから、もともと日本語TrueTypeフォントが中心でしたが、解像度が高くなればそれだけ処理に時間がかかることになります。ビジネスユースでの使用が中心のWindows DTPでは今まではあまり問題になりませんでしたが、最近Windows用の日本語PostScriptフォントが発売されたこともあり、高解像度出力を行うのであれば、極力PostScriptフォントを使用することをお薦めします。

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 同じ名前のフォントでも大きさが異なるTrueTypeとPostScript
さらに、英文フォントの場合、TrueTypeとPostScriptでは、同じ名前のフォントでもボディーサイズが異なります。
たとえばHelveticaをTrueTypeで指定して、PostScriptプリンタで出力したとしましょう。画面表示はTrueTypeで行っていますが、実際の出力はPostScriptプリンタに標準で内蔵されているHelveticaで行われることになります。
同じ名前のTrueTypeフォントとPostScriptフォントでは、PostScriptフォントの方が若干小さく、かつ細くできています。そのため、出力されたものと、画面の表示にかなり隔たりが生まれてしまいます。
こういったトラブルを避けるためにも、同じ名前のTrueTypeとPostScriptの両フォントを混在させることは止めましょう。

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 高解像度出力にはPostScriptフォントを
以上の理由から、商業印刷物を作る(PostScriptプリンタで最終出力する)場合は、日本語も英語も PostScriptフォントを使用するようにしましょう。
ただしTrueTypeフォントに比べ、PostScriptフォントは全般的に価格が高めになっています(Adobe Systems社へのライセンス料が価格に含まれているためらしいです)。
当然、PostScriptフォントを搭載しているPostScriptプリンタの価格も他のプリンタに比べて高くなります。
これから「本格的なDTPをしたい」とお考えならば、ある程度の出費が必要となることを覚悟してください。

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 CIDフォントについて
最近フォントについて最も話題となっているのがPostScriptスクリプトフォントのCID化です。
CIDフォントは以前のフォント(OCFといいます)と比べ、プリンタによってはより高速に出力できるようになったり、新たな文字が追加されたり、対応ソフトを使用すると文字を旧字体で出力できたりといったさまざまな利点を持っています。
また、幾つかの文字は字体が間違っていた物が訂正されていたりします。これだけ聞くと非常によくなっているように感じられますし、実際利点は多くあります。
ところが、一部の書体でOCFフォントと文字の幅(WideMaxといいます)が変更されているのです。このため、OCF 環境で作った書類をCID環境で開くと、文字の送りが変わってしまい、行が増えて入りきらなくなるといった問題が起こることが報告されています。
現在DTP Lab.ではこの問題についてユーザーの立場から検証を進めています。結果がある程度出たところでこのコーナー等で報告して行きたいと思います。
CIDとOCFの違いについてはフォントベンダーの株式会社モリサワのホームページ http://www.morisawa.co.jpに詳しい情報がありますので参照してください。

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